Pマーク(プライバシーマーク)取得の方法・流れを紹介

Pマーク
初めてPマーク(プライバシーマーク) の取得を検討している企業・組織の担当者様へ、本記事ではPマーク取得の基本的な流れや必要な書類、新規取得にかかる費用の相場などを紹介します。
Pマークとはどのような制度なのか、取得するメリット・デメリットなどについては、こちらの記事でまとめています。Pマークの基礎知識を知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
Pマーク(プライバシーマーク制度)とは?取得までの流れや ISMS 認証との違いなどを解説

Pマーク付与の対象になるためには、以下の条件に当てはまる必要があります。
日本国内に活動拠点を持つ事業者である
社会保険・労働保険に加入した正社員、または登記上の役員(監査役を除く)の従業者が2名以上
『JIS Q 15001 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項』に基づいたPMS(個人情報保護マネジメントシステム)を構築している
構築したPMSに基づいた、実施可能な組織体制ができており、個人情報を適切に取り扱っている
「プライバシーマーク付与に関する規約(JIP-PMK500)」で定められた欠格事項に該当しない事業者である
Pマークは法人単位での取得が基本になりますが、医療法人や学校法人など例外もあります。
参考:プライバシーマーク認定単位の一部例外について

Pマークの取得は、「1. 方針の決定」「2. PMSの構築・運用」「3. 内部監査の実施」「4. Pマークの申請」「5. 審査・改善」「6. 取得完了」という6つのステップを進めることで完了します。

合計6つのステップについて、詳しく解説していきます。
まずPマーク取得に向けて「従業員への個人情報の取り扱いに関する意識付け」などの、方針の決定・統一を行います。
その後、Pマーク取得の担当者を決め、PMSの構築・運用、Pマーク取得を推進するための企画作りに取り組みます。いつまでに取得するのか明確にし、作業進捗を管理しましょう。Pマークの取得までにかかる期間は、概ね6カ月〜1年ほどです。
さらに、業務で取り扱う個人情報を洗い出し、どのようなリスクがあるかの分析(リスクマネジメント)も必要です。その分析結果をもとに、実際にリスクが発生した場合の対策も決定します。
リスク分析が終わったら、PMS文書(PMSの構築にあたっての方針や対応手順などを定め、記載した書類)を作成します。
作成するPMS文書
個人情報保護マニュアル:PMS運用のマニュアル
安全管理規定:事業所への入退室の管理、個人情報を送る際のリスクへの対策、機器類の盗難対策などをまとめた書類
個人情報保護方針:組織としての個人情報の取り扱い方針を記した文書
あわせて、審査機関の選定も行いましょう。審査機関によって費用が異なったり、対応できる業界や地域が限定されている場合もあるので、事前に審査機関に確認し、見積書をもらうことをおすすめします。
PMS文書を作成したら、書類の内容に沿って組織内でPMSを構築・運用していきます。
Pマーク取得のためには、『JIS Q 15001』の要求事項に基づいたPMSを構築し、PDCAサイクルを最低でも1回は回して課題を発見し、改善する(運用する)必要があります。
実際に運用した状況を記録する書類も、今後の書類審査で提出が求められるため、作成・管理が必要です。以下に作成する書類をまとめました。
作成・管理するPMS運用の記録書類
個人情報管理台帳:個人情報の利用目的や保管場所などを記載し、管理するための書類
法令:業務に関連する法令を始め、個人情報の取り扱いに関する法令や国が定める指針、その他の規範を特定する書類
リスク分析:個人情報管理台帳に記載された個人情報を取り扱う上で考えられるリスクの検証と対策をまとめた書類
委託評価記録:個人情報を委託している事業者を特定し、適切な委託先であるか評価を行った記録となる書類
教育記録:自社の全ての従業者に対して、個人情報保護のための教育・研修を行う計画書および、教育・研修を実施した記録となる書類
内部監査記録:PMSの内部監査を行う計画書と、実施した記録となる書類
是正処置に関する記録:内部監査の結果、PMSが不適合だと判断された場合に作成する書類
マネジメントレビュー:組織・企業の代表者による個人情報保護の取り扱い方針の見直しを実施した記録となる書類(内部監査の結果、PMSの運用報告、PMSの運用にあたって行われた会議の記録などを含む)
帳票類:自社への訪問者の記録、従業員の入退室記録、採用活動で取得した個人情報の同意書、従業員の個人情報の同意書、個人情報保護に関する事故の報告書など

内部監査とは、PMSの運用がルールに沿って問題なくできているかを、組織内で確認することです。内部監査の結果、もし問題が見つかれば、この段階で改善が必要になります。
監査結果は組織の代表者へ報告され、情報セキュリティ担当者やその他の従業員は、代表者から指示を受け、改善などを行います。
PMS文書や運用記録などといった必要書類が全てそろい、PMSの構築・運用が完了したらPマーク取得の申請に移ります。
申請書類を作成し、これまでにまとめてきた書類と一緒に審査機関へ提出してください(申請書類のフォーマットはこちら)。
申請時に提出する書類には、提出が必須の書類と、任意で提出する書類の2種類があります。任意の書類も提出することで、審査時間の短縮につながる場合があります。
提出が必須の書類
No. | 申請書類 |
|---|---|
1 | 【申請様式1新規】プライバシーマーク付与適格性審査申請書①~③(代表者印の捺印必須) |
2 | 【申請様式2新規】個人情報保護体制 |
3 | 【申請様式3新規】事業者概要 |
4 | 【申請様式4新規】個人情報を取扱う業務の概要 |
5 | 【申請様式5新規】すべての事業所の所在地及び業務内容 |
6 | 【申請様式6新規】個人情報保護マネジメントシステム文書の一覧 |
7 | 【申請様式7新規】教育実施サマリー(全ての従業者に実施した教育実施状況) |
8 | 【申請様式8新規】内部監査・マネジメントレビュー実施サマリー |
9 | 登記事項証明書(「履歴事項全部証明書」または「現在事項全部証明書」)等申請事業者(法人)の実在を証す公的文書の原本(申請の日前3か月以内の発行文書。写し不可。) |
10 | 定款の写し |
11 | 最新の個人情報保護マネジメントシステム文書一式の写し(【申請様式6新規】に記載の内部規程・様式の全て。なお、様式は未記入で空欄のままの見本。) |
12 | 個人情報を特定した台帳、いわゆる「個人情報管理台帳」の運用記録(様式ではない)の冒頭1ページの写し |
13 | 上記12に対応する、いわゆる「リスク分析結果」の写し |
任意で提出する書類
No. | 申請書類 |
|---|---|
14 | 教育を実施したことが確認可能な記録一式(「教育計画書」「教育実施報告書」等の運用記録や教材の写し、「理解度確認テスト」等の雛形) |
15 | 内部監査を実施したことが確認可能な記録一式(「内部監査計画書」、「内部監査実施報告書」、「内部監査チェックリスト」等の写し) |
16 | マネジメントレビュー(代表者による見直し)を実施したことが確認可能な記録一式(「マネジメントレビュー議事録」の写し) |
17 | 会社パンフレット等 |
事業者の業種や、会員になっている審査機関の有無、本社の登記所在地によって申請書類の提出先が変わります。詳細は以下のページをご参照ください。
参考:申請書類の提出先
申請後、審査機関によって提出した書類の審査が行われます(書類審査)。
「書類審査」に合格したら、審査機関による「現地審査」が行われます。現地審査は、1日で完了します。
「現地審査」で実施されるのは、主に以下の内容です。
『JIS Q 15001』に基づいた PMS が構築・運用できているかの評価
主にPマーク取得の申請を行った者や、個人情報の管理者や内部監査の責任者などにヒアリングを行い、『JIS Q 15001』に基づいたPMSが構築・運用できているかを評価します。内部監査の状況や、従業員の教育についてヒアリングされたり、記録となる文書の提出が求められることもあります。
代表者のインタビュー
事業の代表者へのインタビューです。主に以下の点についてヒアリングされます。
組織・企業の経営方針
組織・企業の事業内容
Pマーク取得を申請する理由
個人情報保護の目的
個人情報保護方針に関する質問
個人情報保護のための体制に関する質問
個人情報に関する事故の有無
マネジメントレビューの結果
PMSの継続的な改善が行っているか
個人情報保護の責任者や情報セキュリティ担当者だけでなく、代表者も質問に答えられるよう準備しておきましょう。
安全管理措置が適切に行われているかの評価
個人情報を取り扱っている現場で、安全管理措置(漏えい、滅失、毀損などを防ぐ措置)が適切に行われているか評価されます。
総括・評価
現地審査の最後に統括・総評として、PMSの改善が必要な事項の有無と、指摘事項がある場合は、その内容の説明が行われます。
指摘事項がなければ、審査合格です。後日、審査機関より「プライバシーマーク付与適格性審査決定結果の通知」が届きます。ただし、この通知をもってPマーク取得が完了するわけではありません。次のSTEP 6に進み、付与機関であるJIPDECとの手続きを行う必要があります。
指摘事項がある場合、現地審査の後「指摘事項文書」が送付されます。内容を確認したら、PMSの改善を行うだけでなく、改善報告書の提出が必要です。指摘事項文書に記された日付から3カ月以内に審査機関に提出してください。
書類審査・現地審査が終わったら、審査機関がPマーク付与の適正がある組織・企業かどうかを判断します。審査機関から結果を記載した通知文書が送られてくるので、内容を確認してください。
審査に合格後、Pマーク付与機関と「プライバシーマーク付与契約」を締結することで、Pマークを取得することができます。
Pマークは、2年ごとに行われる更新審査に合格しなければ維持できません。次回の審査に向けての準備を整えつつ、日々PMSの運用を続けましょう。

Pマークの審査を受けるには、費用(審査費用)がかかります。金額は一律ではなく、審査機関や、自社の事業規模、業種などによって変わります。
以下の表は、プライバシーマーク推進センターが運営するWebサイトで掲載されている料金表を引用したものです。
新規のとき | |||
|---|---|---|---|
事業者規模 | |||
種別 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
申請料 | 52,382 | 52,382 | 52,382 |
審査料 | 209,524 | 471,429 | 995,238 |
付与登録料 | 52,382 | 104,762 | 209,524 |
合計 | 314,288 | 628,573 | 1,257,144 |
単位:円(消費税10%込)
表から分かるとおり、数十万〜数百万円が相場です。ここに加えてコンサル会社を利用する場合はコンサル量がかかったり、審査員が現地審査する場合の交通費や宿泊費がかかったりする場合があります。
Pマークの取得を目指す際は、まず複数の審査機関に見積もりをもらってから計画を練り、行動を起こすのが良いでしょう。
【ご注意】
上記の料金は2019年10月1日適用の現行料金です。2026年10月1日より料金改定が予定されています。最新の料金については、JIPDECの公式ページでご確認ください。(出典:料金改定のお知らせhttps://privacymark.jp/news/2025/system/1020.html)
Pマークの取得の方針決定から、実際に取得するまでは、主に以下の流れで進めていきます。
方針の決定〜PMS文書の作成
PMSの構築・運用
内部監査の実施
Pマーク(プライバシーマーク)申請
審査(書類審査・現地審査)
Pマーク取得(運用フェーズへ)
大まかなフローを把握し、Pマーク取得のためにどのような作業が必要か洗い出してみてください。

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参考:SecureNavi
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